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前回、確定申告の必要な人が年の途中で死亡した場合、その年の1月1日から死亡日までの間の「準確定申告」が必要であることを解説しました。

もし死亡した人(被相続人)が青色申告者の場合、さらに注意が必要な点があります。

所得税に当たって青色申告を行う場合、通常であれば申告する年の3月15日あるいは開業日から2ヶ月以内〈1月16日以後に開業した場合)に所轄の税務署に青色申告承認申請書を届け出なければなりません。

もし6月30日に死亡した人から事業や不動産を引き継いだ場合でれあば、その人は同年の7月1日から12月31日までの当該事業又は不動産に係る所得を申告することになります。

では、死亡した人(被相続人)が青色申告者だった場合、引き継いだ人(相続人)は青色申告を適用できるのでしょうか?

死亡した日によって、以下の通り青色申告申請届出書の提出期限が定められているのです。


死亡日 提出期限
1月1日~8月31日 死亡日から4ヶ月以内
9月1日~10月31日 その年の12月31日
11月1日~12月31日 翌年の2月15日

相続人の申告する月数が僅かであれば影響は少ないですが、たとえば1月に死亡し2月分から申告するとなった場合、相続人が課税されるのは11ヶ月分となります。

もちろん、翌年の3月15日までに提出すれば次回の確定申告からは普通に青色申告が使えますが、うっかり4ヶ月以内の青色申告承認手続を失念してしまうと、11ヶ月分の申告であるにも関わらず白色申告によらざるを得ず、10万円~65万円の青色申告控除も使えずに税負担が過大になりかねないのです。

申告する所得の規模によっては青色控除の影響も決して侮れませんし、実務でも結構忘れやすいので、要注意が必要です。

しかも死亡日によって期限が変わってしまうので、尚更混乱しやすくなってしまいます。

ただ失念するだけでなく、4ヶ月以内に相続人間の遺産分割が完了しなかったため提出できないケースもありうるでしょう。

そうならないためには、事業用資産や賃貸不動産だけでも可能であれば早めに相続人を決めてしまうのも得策です。

参考>所得税の青色申告承認申請手続(国税庁HP)


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