最近は家事との両立もあって中小企業家同友会(同友会)の活動にもなかなか参加できていませんが、同友会では今も昔も自社の現状把握や「経営指針」の作成を強く訴え続けています。
経営の第一歩は、会社を取り巻く外部環境と会社自体の内部環境を理解する事から始まります。
かといって、唐突に世界情勢の話をされてもピンとこない人も少なくないかも知れません。
経営学の教科書なら「SWOT分析(自社の強み・弱みと市場のビジネスチャンスと脅威を洗い出す分析)」という用語がありますが、まさにそれです。
現実に、これまでのコロナ禍だけでなく、ウクライナの戦争や急激な円安により材料費が高騰し、従来のビジネスモデルさえ成り立たなくなりかけている状況もあります。
生き残るためには、その現状と今後の見通しを見極めたうえで、余力のあるうちに手を打つしかありません。
そしてもう一つ重要なのは、中小企業家同友会が「経営指針」をことのほか重視し積極的に導入を呼びかけているのも、ちゃんとした歴史的背景があったからです。
今からおよそ40年前、高度経済成長が一段落し国鉄の「遵法闘争」に代表されるような、激しい労使紛争が企業と労働組合との間で繰り広げられていました。
中小企業も例外ではありません。
しかし大企業と違って、従業員や組合の要求を丸呑みできるほどの経済的余裕があるわけではありません。
そこで同友会が侃々諤々の末に行き着いたのが、経営者の責任や従業員との関係のあり方を明示した「労使見解」であり、双方がwin-winであり続けるためには経営者が長期的なビジョンを持って経営戦略に携わると共に、従業員を巻き込んだ全員参加型の経営を進めるべきだと訴えているのです。
話を戻しますと、同友会において経営指針は
①経営理念(会社の目的、考え方を短いフレーズで表したもの)
②経営方針(会社の目指す目標、方向性)
③経営計画(②を具体的に数値化・文書化したもの)
のワンセットとして位置づけられています。
一言で経営理念や経営計画と言っても、いきなり作り出せるものではありません。
そのためには、前にも述べたとおり現状を知る事と、自身が進みたい目標をしっかり見極める事が欠かせません。
そして実際に経営指針を導入し実践することで、従業員との良好な関係を築きモチベーションを高めたり、時代の変化に対応し業績を改善させた企業は数多くあります。
同友会が経営指針にこだわるのも、こうした歴史とノウハウの蓄積に裏付けられているからです。
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